三百七十六発目

2008年6月25日 連載
幸い、この建物は5階建てであった

あと4階分も探す場所がある

あと4階分の可能性がある

元より、自分は4階の人間だった

昼飯を買い、食べるために4階から1階へと下りてきたのだ

そうとなればあとは動くしかない

2階、3階と上に上るしかない

しらみつぶしに人を探すしかないのだ

一体何が起きているのか分からなかった

ただ、何かが起きたことは分かった

誰かを探し、誰かに逢えたとき道は開けるんじゃないかと思い

ただ必死になって走り回った

思えばさっきまで友人と話していたのに

さっきまでこんなことになるかなんて知らずに昼飯にカツサンドを食べていたのに

いつも持ち歩いているはずの「nano」を忘れ

いつもはするはずのない「昼寝」をし、遅刻寸前になり

今日は何だかおかしい、何が起きようとしているんだ

簡単なことだった

世界が 終わろうとしていたのだ

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