現「お疲れ」

過「・・・?」

現「あ~、突然だけど何か今悩みとか無いか?」

過「・・・は?」

現「だから、今何か悩んでることとか、無い、か?」

過「・・・」

現「無言で立ち去ろうとするなっ」

過「いや、怪しすぎるし」

現「え、そんなに怪しい?」

過「自己紹介もしないでいきなり悩み無いか? なんて聞かれたのは初めてです」

現「あぁそっか、自己紹介な」

現「ん~、何て言えばいいのかな」

過「普通に名前を言えばいいんじゃ・・・」

現「うん、正論だ だがしかし」

過「名乗らないのなら帰りますけど」

現「ちょっ、ちょっと待ってくれ」

過「何ですか?早くしてください、親が心配するんで」

現「あ、あぁ、お、俺の名前はだな・・・」

本当のことを言うべきか、言っても過去の俺はまず信じないだろう

自分が同じ状況に置かれても多分同じ反応をするはずだ

何よりこの子は過去の俺だ、自分の性格上こんな怪しいヤツは邪険に扱うのが一番だと思ってるはず

なら・・・

現「俺の名前は○○って言うんだ」

本当のことを話して、気を引くのが一番だろう

過「○○・・・?俺と一緒・・・?」

現「ついでに言うなら、俺はお前だ」

逃がしはしない、過去の俺を助けるためなら本当のことなんざいくらでも話してやる、例えそれが間違いだったとしても

過「え?何?」

現「俺はな、えっと、8年前・・・かな? 未来から来たお前なんだ」

過「8年前・・・?未来の俺? 何言ってんの?」

現「信じられないのは分かる、って言うか信じられないのが普通だと思うし」

過「えっと、ドラえもんみたいな感じ?」

現「タイムマシーンを見たことは無いけど、原理としては一緒・・・なのかな?」

過「?」

現「スマン、実際俺もよく分かんない状態なんだ」

過「へぇ~、何しに来たの?」

現「君を救いに来た」

過「別に今俺、困ってることないけど」

現「中2の俺だろ?勉強に部活に恋に大忙しだったと思うが?」

過「お、大忙しってほどでもないけど」

現「部活は大分頑張ってたと思うけどな」

現「もう楽器移ったか?」

過「な、なんでそれを?!」

過「って言うか、今日だったんだけど・・・」

現「移りたくないのに移るって言っちまったんだよな、あの時」

過「・・・うん、今すごく後悔してる」

現「Kが居たからだろ?」

過「!! ・・・やっぱお兄さん未来の俺なんだね、すごいや」

現「だからさっきから言ってんじゃねーか」

過「Kが居たのに・・・何で俺移るって言ったのかな」

現「Kが居たのに、Kが居たから 2つ取り方があると思うんだが」

俺は当時のことを思い出しながら、過去の俺と語ることにした

少しでもこいつの力になってやれれば、と思ったから

そして少しでも今の自分よりはマシな大人になって欲しいと思ったから

四百四十四発目

2008年10月31日 連載
『見覚えがありますか?』

「あぁ・・・たっぷりな」

眼前には


中学生の頃の


"俺"が居た



「ということは・・・」

『そう・・・ここはあなたの"過去"です』

「懐かしいな」

『ちなみに、今のあなたも周りからは見えていませんのでご安心を』

「それは助かる・・・で、ここに連れてきた理由は何だ」

『あなたは今から 世界を終わらせるのです』

「これまたでっかくきやがったなぁ、"どの"世界だ?」

『心の中の世界』

「俺に死ねっつってんのか」

『そんなストレートなこと言えませんよ』

『タイムパラドックスってご存知ですか?』

「ちょっとな」

『過去を変えると未来が変わる』

『実際そのようなこと起こりえないのに、変な言葉ですよね』

「後悔の代表みたいな言葉だよな、"あのときこうしておけば"から生まれたというか」

「まさか俺にタイムパラドックスを起こせと?」

『あなたが"心の中の世界"を望まないように、ね』

「そうきたか・・・中坊の俺を改変しようってか」

『"我"が強くなりはじめるのは大体あの頃ですからね』

『中学2年生・・・丁度いい時期かと』

「部活で鍛えられてる頃だからな、連帯感とか責任感とか痛感しはじめる頃だろうよ」

『あなたには放課後に動いてもらいます』

「姿、見えねぇんじゃねぇのか?」

『見えるようになりますので』

「何すりゃいいんだよ」

『"彼"を助けてあげるんです』

「・・・はぁ」

『とりあえず今はここで見学でもしてましょう』


・・・・・
・・・・
・・・
・・




「・・・もう、8年も前になるのか」

『今見るとどうですか?』

「よくやってんなぁ~ って思うよ」

「当時は辛かったけどな、色々と」

「指導者なんだけど、なんか変なヤツ来てさ」

「当時の俺らには相当キツい練習だったなぁ」

『じゃぁ大体その頃ですかね・・・あなたの心が弱り始めたのは』

「かもな・・・今でも思い出すだけで嫌な気持ちになるよ」

『よっぽどだったんですね』

「・・・なぁ、どうでもいいかもしれんが」

『何でしょう?』

「お前はいつまでその姿なんだ?なんつーかその、猫というか何とかいうか」

「正直よく分からん姿なんだけど」

『そんな姿になってましたか、自分では分からないんですよ、自分の姿など』

「そりゃそうか、鏡でもない限り・・・な」

『それはそうと、そろそろ練習が終わるようですよ』

「今外だから、部室帰って、片付けやって、7時くらいには帰るんだっけか」

『結構遅くまでやってるんですね』

「そうだな・・・特にこの時期はな」



『・・・ようやく帰るようですね』

「結構長かったな、反省会」

『さて、出番ですよ?』

「あぁ・・・」

『くれぐれも気をつけてください』

「あぁ・・・」

説明に於いて、過去の俺がどんな顔をするかを想像しながら

"彼"の後を追った

四百四十三発目

2008年10月31日 連載
「心の中の世界・・・」

『そう』

「え~っと、ちょっと待ってくれ、難しい話は苦手なんだ」

『良いでしょう、待ちます』

『というか、多分考えても分からないと思うので、説明を』

「ありがたい」

『まずは"現在"のあなたの状況です』

「だから、ここにいんだろ、心の中の世界ってとこに」

『"現在"のあなたは、まだ公園で眠っています』

「何だと?!」

『あなたがさっきまでいた世界はいつもと何ら変わりない日常を送っています』

『会社だって昼休みを終えて、とっくに始まっていますよ』

「じゃぁ俺サボりじゃねぇか!!」

『ご安心を・・・皆さまの記憶にあなたという人物は存在していません』

「俺ははじめっから居なかった ってことになってるってことか」

『そのとおり・・・では公園にいるあなたは?』

「・・・」

『こちらもご安心を 普通の人間ではその姿は見えない状態になっています』

「石ころ帽子でも被せたか」

『まぁ、近いとこです』

「そうかよ・・・」


『さて、では"今の"あなたは』

「・・・」

『先ほども言ったように、ココ"心の中の世界"にいます』

『現実とは遠く隔離された世界、私のような能力を持っていない者は絶対に来れない世界』

『そして・・・あなたが望んだ世界だ』

「・・・」

『・・・周りを見てみてください』

「え?」

『世界が変化を見せます』

「これは・・・」

三百八十八発目

2008年7月7日 連載
『問いかけたのは貴方ですよ』

「いや、そ、そうだけど・・・普通に考えて猫は喋らない!!」

『貴方もつくづく変な人だ』

「一番変なのはお前だ」

『単刀直入に貴方に聞きます』

「シカトかよ、何だ」

『何故この様な世界を生み出したのです?』

「はぁ?なんだそれ」

『この世界はあなたが望んだ世界』

「・・・冗談はよせよ、俺がそんなこと出来るわけないだろ」

『じゃぁ何故この様な世界があるのです?』

「知らねぇよ」

『貴方、心の中で何を願いました?』

「・・・知らねぇよ」

『何もかもが無くなってしまえばいいのに、とそう願いましたよね?』

「・・・覚えてねぇな」

『いい加減素直になったらどうですか』

「・・・」

『ここは貴方が望んだ世界
 私は貴方の心に住むもの』

「心?」

『はい、私は猫としては少々変わっておりまして
 貴方のような人物を何人も見てきました』

「俺のような・・・って孤独を望んだってことか?」

『その通りです、見る人全てが貴方と同じ希望を持っていました』

「・・・そうか」

『はい、私は元々一風変わった猫
 何かしら特別的な能力があるのには生まれた頃から気付いていました』

『それがまさか、人の心に住み着く能力だとは知りませんでしたが』

『私は孤独を望む者達の心に住んだ
 何年も住んだ者も居れば、あなたのように何週間かで能力を使った者も居た』

「能力?」

『人の心に住み付き、欲望を実現させる能力』

「・・・ちょっと待てよ、話が変だぞ」

『気付きましたか、そう、この話は変なのです』

『孤独を望んだ者=貴方としましょう
 貴方は今この世に一人です』

『その昔、他にも同じことを望む者は居た
 私はその方々にも力を貸した』

『結果、今の貴方と同じ状況に陥った』

『会社に一人取り残しとなったその方は必死になって他の人を探した』

『自分で望んだことなのに、必死に、必死に・・・』

『結局誰も見つかることは無かった
 その時も私はこうやってその方の前に飛び出し、説明を施した』

『信じられないといった表情をする者、面白そうだと喜ぶ者
 その場で気絶し、帰らぬ人となる者も居ました』

『だが、まだ貴方の心の中では何か突っかかっているものがあるはず』

「その通りだ
 俺と同じ状況に陥ったやつ・・・ってことは世界に一人になったんだよな?」

『そうですよ』

「おかしいだろ、そんなに早く新しい世界ってのは出来上がるのか?!」

『おっしゃってる意味がよく分かりませんが』

「くそっ、じゃぁ聞くが
 お前が最後に今のこの力を使ったのはいつだ?!」

『2,3年前です』

「その時に世界は終わりを迎えたんだろう?!」

『いいえ、違います』

「何がだ!!」

『世界はまだ、一度たりとも終わりを迎えたりなどしていません
 初めて生まれたその日から絶えず回っています』

「じゃぁ、ここはどこなんだよ!!?」

『ようやくお分かりになられたようですね
 そう、ここは貴方が居た元の世界じゃない』

『貴方の、心の中の世界ですよ』

三百八十七発目

2008年7月7日 連載
3階に着き、歩き出す

このビルは5階建てだが、自分が普段居るフロア

つまり4階と、玄関のある1階以外にはそうそう来たことがない

何がどこに、誰がどこに居るか等、皆無に等しいのだ

だけどもう既に無人となったこの空間では

どこの部屋の誰 等、探しても無駄だろう

そう思った瞬間駆け出した

何かが見えたような気がしたからだ

人っぽい何か、生きている何かが

確かにそれは、生きた何かだった・・・

「なんだ、これ・・・」

愕然とした、見えた何かを追ってようやく辿り着いた目の前に居たものは

「猫・・・?じゃないか、猫のように見えなくもないが・・・」

動かない生物、辺りを見回してもそれ以外何も無い

この生物は先ほどまで動いていたのに

どうして急に静止してしまったのだろうか

元々何かの病を抱えていた・・・?

何者かによって動きを封じられた・・・?

だとしたら一体誰が・・・

そう考えているうちに、猫のような生物が再び行動を開始した

「!!!」

「・・・動いた」

「にゃー」

どうやら本当に猫のようだ、形はかなり禍々しいものへと変形しているが

「・・・ん?こいつどこかで見たことあるような」

「にゃー」

「お前、どっかで俺に会ったことあるだろ」

「にゃー」

「言うわけがないよな」

「ある」

「・・・!!??」

「私は貴方に会ったことがある、そこの公園で」

「しゃ、しゃべったぁっ?!!」

三百八十発目

2008年6月28日 連載
2階を駆け回る

「おーい」とか「誰かいませんか?!」と叫びながら

入れない部屋には、近くにあった消火器などを使って進入した

これも人を探すためだ、何ら問題はないだろう

消火器を振り、窓を割り、中に入って人探し

こんなことを何回繰り返しただろうか

どこを見渡しても人影なんて見えない、気配すらない

2階の端から端を駆け、もう探す所はない

諦めて3階へと向かう

今度は階段ではなく、エレベーターを使う

なんてことはない、ただの気分転換ってやつで

疲れた、というのもあるが

少し休憩したかった、でも先にも進みたかった

何も焦ることはない・・・でも、気になる

また昔と同じことを繰り返そうとしているのかと、ふと昔のことが頭をよぎる

数年前の話、何もかも上手くいかずむしゃくしゃしていた頃の自分

若くて、世間を知らなくて

自分がこの世のすべてとまではいかないが近いことを考えていた頃の自分

自分のやることがすんなりいくとどれほど嬉しいことか

誰かに気を遣って生きていくのがどれほど疲れるか

自分のミスで他の人に迷惑をかけるのがどれほど辛いか

今考えるとそれほど深く考えることでもない

若い頃は若いなりに苦労を重ねなければならない

大人になったときにそのときの苦労を思い出せば

あのときの苦労がここで報われると考えることも出来るだろう

ただ今は、がむしゃらに動いていたかっただけなのだ

三百七十九発目

2008年6月28日 連載
果たしてこの世界はどうなってしまったのだろうか

普通では体験出来ないようなことが起こっているのは事実で・・・

この世にたった一人ぼっちだなんて滅多に味わうことが出来ないわけで

困った場面ではあるが、それが少し楽しく思えたり

思えばこんなことを考えていたこともある

「世界中の人間がいなくなればいいのに」

「自分だけの世界が出来ればいいのに」

「誰にも気を遣わず、誰にも迷惑をかけなくていい そんな世界があればいいのに」と

あの頃の自分はまだまだ人間として未熟で

自分の思い通りにならない世界が憎くて

上手く行かない自分が悔しくて

こんなことならもう何もかもが無くなってしまえばいいのに、と心の中で

誰にも見えない世界を作っていたのかもしれない

そしてそれは数年経った今、現実となった

三百七十七発目

2008年6月25日 連載
いつもは階段を上ることさえもめんどくさかった

朝、会社に来たときも上に行くのにはエレベーターを使った

だが今は何だかそれが惜しい

エレベーター・・・階段・・・

どっちの方が人に逢える確立が高いだろうか

どっちもどっちだろう

ただ、待ってる時間が勿体無いと思った

体を動かしてる時間が少しでも欲しかった

だから階段を使った、まずは2階を目指す

居るかどうかも分からない、でも居てほしい、居ないかもしれない・・・

様々な可能性が脳を巡った

こんなときにフル回転する頭脳を少し妬ましく思いながら上を目指した


階段を上りきった

案の定人の気配は無い

声も、足音すらも聞こえない

でもここで諦めるわけがない、探そうと思い走り出した

この建物は横に広く、端から端までかなり距離があった

階段を上った後、右に曲がりその直後にまた右に曲がった

飲み物の自動販売機がひたすらに唸っていた

ヴーーーン・・・という音しか聞こえなかったが、その音が少し嬉しかった

改めて耳を澄ましても、機械の唸る音しか聞こえない

「・・・ま、聞くだけじゃ分からんからな」そう呟いて走り出した

三百七十六発目

2008年6月25日 連載
幸い、この建物は5階建てであった

あと4階分も探す場所がある

あと4階分の可能性がある

元より、自分は4階の人間だった

昼飯を買い、食べるために4階から1階へと下りてきたのだ

そうとなればあとは動くしかない

2階、3階と上に上るしかない

しらみつぶしに人を探すしかないのだ

一体何が起きているのか分からなかった

ただ、何かが起きたことは分かった

誰かを探し、誰かに逢えたとき道は開けるんじゃないかと思い

ただ必死になって走り回った

思えばさっきまで友人と話していたのに

さっきまでこんなことになるかなんて知らずに昼飯にカツサンドを食べていたのに

いつも持ち歩いているはずの「nano」を忘れ

いつもはするはずのない「昼寝」をし、遅刻寸前になり

今日は何だかおかしい、何が起きようとしているんだ

簡単なことだった

世界が 終わろうとしていたのだ

三百七十五発目

2008年6月25日 連載
ゆっくり、ゆっくりと歩を進め入り口へと近づいていく

2,3段しかない階段を上り自動ドアを2枚くぐる

・・・おかしい、何かがおかしい

無意識の内に立ち止まってふと考える

警備員がいない・・・?

いつも、建物に入る際には入館証というものを提示する

それがないと入れないからだ

しかし、それを見せる相手がいない

警備員がいない会社なんて

どうぞご自由に情報をお盗り下さいと言っているようなものだ

ぼんやりと立ち尽くしていたが、ふと周りを見回してみた

・・・誰もいない、人の気配がしない

これはさすがにおかしいと思い、1階を駆け回った

「誰か、誰かいないんですか?!」そう叫びながら

当然、返事はなかった

三百七十四発目

2008年6月25日 連載
キーン コーン カーン コーン

キーン コーン カーン ・・・

今日も午前中の終わりを告げるチャイムが鳴り響く

さて今日は何を食おうかと考えながら「よっこいしょ」と席を立つ

ドアを出て、右に行けば下の階へ下りれる

左に出ても下りれるには下りれるが、右にはエレベーターがある

とはいえ、昼時だもんでエレベーターは込み合うから

あえて右にも左にもある階段を使って下へと降りる

ドアを出るとき、タイミングがよければ友人と話しながら移動することができる

「今日も午前中ヒマだったな」

「ずっとヒマだよね、とりあえず勉強してるけど」

「NA(CCNAのこと)取ったんならもういいだろ」

「それがそうもいかないんだよね」

「ふーん」

「今日ご飯は?」

「コンビニ」

「君はもっと食べた方がいいよ」

「いや、大して変わんないでしょ」

「いや、君のは病気に見える」

「失礼すぎる」

「体壊しても知らないからね、ってか最近休み多いよね」

「ん〜、まぁね どうにもこうにも体が言うこときいてくれなくって」

「自分の体は自分が一番理解してなきゃいけないのにね」

「一番理解出来てなかったりな」

「ダメじゃん」

「あっはっは」

とかなんとかくだらない話をしながら下りていく

1階まで下りたら自分は外のコンビニ、友人は食堂へと向かう

6月、梅雨の季節だがどうにも雨は少ないらしい

外に出て思わず口をついて出てくる言葉は

「雨か・・・」ではなく

「あっつ!!」である

いい加減雨にも活躍してもらわないとこの後が怖いんだけどな

水不足とか、勘弁してほしいよホント

とかなんとか考えながら一人でとぼとぼ歩いていく

最寄のコンビニは徒歩5分弱の所にある

会社近辺にコンビニは3つ存在するが、このコンビニが一番近い

最近のお気に入りはコーヒー牛乳(紙パック120円)とカツサンド(200円くらい)だ

それに+αすれば立派な昼食の完成だと思う

買ったあとは、会社の中に戻ると思わせておいて

すぐ近くの公園へと入る

ここの公園には二人がけのベンチが10ほどある

自分の特等席は最奥の端っこになる

この席は会社からも見えないし、日光が当たれば暑いが非常に気持ちがいい

本来梅雨の時期は来ないのだが、今年は結構晴れが多いためよくここまで足を運ぶ

本格的に夏が到来すれば、また、ここに来るようになるのだが

そのときはそのときで地獄にいるような気分になる

直射日光は「容赦」と言う言葉を知らないからだ

その「容赦」を知らない直射日光を浴びながら、ベンチに座り袋からカツサンドを取り出す

ひんやり冷えていて美味そうだ

カツサンドの袋をやぶり、1つ取り口に運ぶ

うん、美味い やっぱカツサンドは最高だ

特にハムカツサンドなら言うことなしだ

と、いつもならここで相棒の「nano」のおでましなのだが

今回はどうやら会社の中に忘れてきたらしい

いつも一緒だからこんなことは滅多にないのだが

まぁ、人間誰しもミスはあるということで

適当に携帯をいじりながら昼食をたいらげた

特にすることもなく、時計とにらめっこをしていた

いつもなら12時30分になったら会社の中に戻り

机に突っ伏して寝ようとするのだが

今日ばかりはそれをしなかった

外でボーっとしていたら、いつの間にか眠ってしまっていたのだ

ハッと目を覚まし、時計を見たときには12時58分となっていた

午後の業務は13時開始なので、急いで戻らないと間に合わなくなってしまう

急いで昼食の後片付けをし、早足で事務所へと向かう

公園から事務所までは走ればそんなに時間がかかる距離ではなかったが

何故か自分は急ぐということをしなかった

起きたときから、変な胸騒ぎと違和感を感じていたからだ

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